覚過敏症状は、次のような刺激物が原因で発生することがあります。
- 冷たい食べものや飲みもの
- 熱い食べものや飲みもの
- 甘いものや酸っぱい物
- 冷たい空気
- 歯磨き
では、知覚過敏を起こす原因はなんでしょう。
毎日の歯磨きの仕方
毎日行っている歯磨きは、やり方を誤ると、エナメル質を傷つける原因を作り出してしまいます。要因は、硬い歯ブラシを使って「ゴシゴシ」と力強く磨いてしまうことです。一度で削られることはもちろんありませんが、毎日同じように力を込めて磨き過ぎると、エナメル質は次第に薄くなってしまうのです。
上手な歯磨きの仕方は、歯垢の溜まりやすい場所に注意しながら、やわらかめの歯ブラシを使い、軽い力でブラッシングを行ってあげることです。また、歯磨き粉に関しても、エナメル質の保護に有効であり、知覚過敏用の歯磨き粉を使用するといった考え方も必要です。
酸性の食品が歯を溶かす!?
私たちが日頃から口にしているものの中には、酸性の食べ物がたくさんあります。代表的なものとして、コーラやサイダーなどの炭酸飲料、ビールやワインといったアルコール類も同じです。また、柑橘系の果物や梅干し、酢の物もそうです。
酸性の食べ物は長時間口に含み続けたり、過度な摂取を行うことで、歯が溶ける「酸蝕歯(さんしょくし)」という病気のリスクが生じる恐れがあります。歯が溶けるというのは、つまり、エナメル質が溶かされてしまうということです。よって、酸蝕歯も知覚過敏を招く一因であるわけなのです。
歯ぎしりによって歯が削れる
歯ぎしりが癖になっている人は、毎日それを続けてしまうと、次第に歯が削れて知覚過敏を引き起こしてしまいます。
歯ぎしりは、疲労やストレスの蓄積が原因であるといわれています。対策として、「マウスピース」を使った治療法があります。
噛み合わせが悪いと歯が削れる
歯の噛み合わせが悪いことで、一部の歯だけに力がかかり過ぎてしまい、歯が削れてしまって知覚過敏になる可能性があります。この場合の治療法として、歯医者さんで歯列矯正を施すやり方もあります。
虫歯の悪化による継続的な痛み
虫歯によって歯に穴が開いてしまうと、象牙質が露出し知覚過敏を招きます。虫歯が原因で知覚過敏になった場合、しみる、というより痛みが先行して継続的な痛みをもたらします。このような場合、すぐに歯医者さんで診断してもらい、早期の治療を心掛けましょう。
歯周病による歯茎の後退
歯周病が進行して歯茎が後退すると、象牙質が露出してしまって知覚過敏が起きやすくなります。歯周病は知らないうちに悪化してしまうため、歯周病による歯茎の後退は、歯医者さんでの治療が必須になるケースがありますので、一度、歯医者さんで診断してもらい、適切な対処をしてもらいましょう。
ホワイトニングの薬剤
ホワイトニングの際に使用する薬剤が原因で、知覚過敏を引き起こす場合もあります。ホワイトニングの薬剤は、歯の細かいひびから象牙質へと伝わり、その後、象牙細管の穴に入り込み、しみる症状を招きます。ホワイトニングの治療期間が終われば、症状は改善されていきます。
歯医者さんでの歯石除去
お口の中に溜まった歯石を歯医者さんで除去してもらったあとに、歯がしみる症状が生まれる場合があります。歯と歯茎の境目に溜まった歯石が除去されたあと、歯石が取り除かれた象牙質の部分が露わになるため、知覚過敏を生んでしまうのです。
加齢による歯茎の後退
歯茎の後退は、年齢を重ねることによって引き起こされ、知覚過敏を招いてしまう可能性があります。
対処法
『硝酸カリウム』と呼ばれる成分が配合されている歯磨き粉が効果的です。硝酸カリウムは、歯の神経である歯髄の周囲にイオンバリアを張り巡らせてくれるのです。これにより、歯がしみる症状を防ぐことが可能になるというメカニズムです。
おすすめ万能「歯磨き粉」
知覚過敏に効果のある硝酸カリウムが含まれる歯磨き粉の中でも虫歯や歯周病の予防にも効果があり、さらに歯を白くしたり、口臭を防いだりすることも期待できる歯磨き粉もあります。
唾液の分泌量を増やす
象牙細管が開いてしまって歯がしみている場合、唾液の分泌量を増やすことで「再石灰化」のサイクルを起こし、しみる症状を防ぐことができます。
再石灰化とは、虫歯や酸の影響で溶けてしまった歯を、唾液によって作られたリンやカルシウムの結晶が開いた穴を封鎖する仕組みです。この再石灰化の力を利用するためには、ガムなどを噛んだり、食事の際にもよく噛んで食べることを習慣づけてみてください。
歯医者さんで治療してもらう
知覚過敏が気になったら、一度、歯医者さんに相談してみるのも得策です。歯医者さんでは、専用の接着剤を用いて、象牙細管の穴を封鎖するやり方があります。
もしも、痛みを伴うようなひどい症状の場合は、「消炎鎮痛剤」を服用して、痛みを鎮める方法もあります。その他、保険外治療で行われる「レーザー治療」や、どうしても改善できない場合は、神経を抜いて痛みを感じないようにする方法もあります。