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最近、当院を来院される患者さんでかなりこの顎関節症の診断をする機会が多くなってきました。いったいどんな病気で、何が原因になるのか。そしてもし顎関節症になってしまったらどんな治療を行うのか。そんな気になる疑問を詳しく、そしてわかりやすくご紹介します。
顎関節症とは、あごの関節に何らかの問題があって、「顎(あご)に痛みがある」、「口を開くことができない」、「あごをうごかすとカクカクと音がする」といった症状がみられる病気とされます。顎に何かしらトラブルをもつ人の数は、私たちが思っている以上に多いようで、人口の70~80%ともいわれています。男女の間で発症率に差はないといわれる一方で、治療している方々の多くは女性で、男性の2~4倍といわれます。また、若い女性と中年の女性に多いのが特徴のようです。
自然に治ることもあるようですが、病院を訪れるきっかけは、やはり「顎の痛み」、「口が開けられない」、「食べものが食べにくい」といった症状が多く、場合によっては日常生活に支障がみられることもあり、このようなときは病院で治療を受けるべきとされます。
顎関節症という病気は、その病名がつけば特定の原因や病態が分かるというものではなく、顎の関節に関わるトラブル、あるいは顎のまわりの筋肉のトラブルなどに関する病気をまとめて顎関節症とよんでいるのが実際とされます。
そのため、病気の状態、原因、そして症状もかなり多様なものとなるようです。なかでも顎関節症の方によくみられる症状について、冒頭でも少し触れました3つの症状に加えて、ここでもう少し詳しくみていきたいと思います。
*顎が痛い(顎関節痛)
*口が開かない(開口障害)
*顎をうごかすと音がする(顎関節雑音)
は代表的な3症状といわれています。このうち、ほかの病気がなく、ひとつでも症状がみられれば、「顎関節症」と診断できるとされます。
このように、明らかに顎の関節が原因でおこっている症状の場合は一般の方々でももしやこれが顎関節症かな?と予測がつきやしと思います。
ところがこれ以外に
頭が痛い。
肩が痛い(いつも肩こりがひどい)
首が痛い
取った症状が出てくるのも顎関節症の症状と言われています。
これらはすべて顎関節の不調和からくるかみ合わせに必要な筋肉の筋肉痛になります。
頭が痛いというのは側頭筋が痛いことが多くこめかみあたりをもみほぐすと楽になることが多いです
肩が痛いもしくは首が痛いは僧帽筋や胸鎖乳突筋等の筋肉痛であることが多く認められます。
以前にも当院をおとずれた患者さんの中に頭が痛くて脳外科に行き、内科、耳鼻科、果ては精神科にまで行きいずれも異常なしといわれ困り果てたうえで知人の紹介から当院を訪れ顎関節症の治療をしたとろ頭痛がほぼ消失してしまったといったことを経験しております。
ではこの顎関節症がどのような理由でおこってくるのでしょうか?
実は原因不明と言われる疾患の一つになります。
ただし、なぜ下人不明かというとあまりに多種多様な原因が考えられ特定できないというのが現状です。
特に原因としてよく見られるものを上げてみましょう。
食いしばりや歯ぎしり→対策はマウスピースを入れる
かみ合わせが悪い→矯正をする
親知らずがかみ合わせに干渉する→親知らずを抜く
何らかの習慣が原因になるものとして
片側だけで噛んでいる→なぜ片側だけで噛んでいるのかによりますが両方で噛むことができるようにする
寝るときにいつも同じ方向を向いて寝ている→できるだけ上を向いて寝る(状況によって変わります)
頬杖をつく→これをやめる
ざっとはこんなところです。特に最後に記した頬杖をつくはかなりの方がそんなことしていないと思いますと初診時に言われるのですが、1週間の自分観察をしていただくとかなりやっていたことを報告するケースが多く認められます。つまりは、患者さん本人が癖としてもしくは生活の習慣としてやっていることが原因になるケースが多いのです。
治療法
まずは上記の様な生活習慣でやってはいけないことを見つけていただくことが最優先になります。
そのうえで、マウスピースによる治療を開始します。
たかがマウスピース一枚でそんなに変わるのか?と疑問を感じる方もいらっしゃると思いますが、実はこの顎関節症の痛みの部分はこのマウスピース治療により9割の方がよくなるといわれています。
それいがいに顎関節に注射をしたり手術をする治療法もありますが、ファーストチョイスにはなりません。
そのうえで、親知らずがあれば抜歯を勧めますし、歯並びが悪いことが原因の場合は矯正をお勧めすることがあります。
ざっと顎関節症についてお話してきましたが、もし気になる方々がいらっしゃいましたら是非一度当院もしくは最寄りの専門医に受診されることをお勧めします。